・見たところ、大きなダメージはないようだ(機械的、電気的)。
・FMにすると、表示が消えて動作しなくなる。
・リレーの接触不良あり。
・ほこりが多い。
・欠品はないようだ。
・AM/FMユニットとAMフィルタがついていた。ダイオードカットしてAUXポジションを27MHzにしてあり、CB改造の痕跡と思われるが(だからAM系のオプションがついているのだろう)あきらめたようだ。AUXを使う場合、このリグはバンドコイルを入れないとCBできないのだ。もちろん、これでCBをやるのは違法。
掃除
製造されてから20年程度経過しているので、ケース上面スリットの下はかなり埃っぽい。埃が明らかに堆積している。トランス上面も埃が堆積しており、そのせいか一部錆が生じている。
IFユニットの拡大。埃だらけ。
パネルもつまみとの隙間に埃が堆積しいるため、パネルは全面的に掃除したいところだ。
基板の埃掃除
最も埃が堆積している基板はIF基板だ。堆積した埃はエアブローでかなり飛ぶが、基板表面にはこびりつきが残る。水洗いは出来ないので、揮発性溶剤であるホーザンのオーバーホールクリーナーを全面に吹きかけて湿潤させ、細かな隙間を綿棒で掃除することにした。ちなみにこのクリーナーは臭いからするとベンジンのような感じです。火気厳禁。できれば外で作業しましょう。アルコールに弱い人はこういう溶剤でも酔うらしいです。
何回かクリーナー漬けにして綿棒でこすること1時間。かなりきれいになった。逆に汚くなったのは基板裏。フラックスがクリーナーで溶けて再結晶化したため、粉を吹いたように白くなってしまった。これは粉なので、歯ブラシでこすってブローで飛ばすと落ちる。現在の基板は半田後に洗浄してフラックスを取りますが、この頃の基板はフラックスが残っているようです。IF基板とトランス横にある電源基板(外すのに苦労する)はこの方法で洗浄しました。残りの基板は見かけ上はきれいです。
掃除後はかなりきれいになった。ついでに455Kのフィルタ装着。
トランスの掃除
トランスはシャシから外して雑巾で掃除です。ニスで固めてあるので、溶剤は使えないと判断しました。錆はどうしようもありません。シャシの掃除トランスなどを外した近辺は雑巾がけです。細かなところは綿棒で。トランスを囲っているアルミ板は安定化電源の直列制御トランジスタ放熱版なんですが、これは鉄板でシャシに固定されており(反対側に電源基板がくっついている)、その鉄板との間にシリコングリスが充填されており非常に埃を呼びやすい。鉄板とシャシ間の熱抵抗もそんなに期待できないし、表面積が稼げているわけでもないので、シリコングリスはすべて落としています。
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パネルの掃除
パネルやつまみは細かな凹凸が多いので是非水洗いをしたいとこだ。
つまみ固くて外せない
各つまみはネジロックでシャフトに固定されているため、(VFOだけは埋め込み六角ネジ固定)非常に固い。手で引っ張って取れないつまみは下図のようにひもをかけるとうまく取れる。
ちなみに、LOADとPRESELECTはバリコンとプラスチックのカプラーで接続されているので、強引に引っ張ってはいけない。カプラーを破損してしまう。これはカプラーの六角ネジをゆるめ、ガラエポの延長シャフト毎外す方がよい。
パネル外し
SWやVR等はパネルに直接固定されており、これらをすべて外す必要がある。結線の余裕が無く、作業性はよくありません。あまりガタガタとやっていると、金属疲労で半田してある線が外れる可能性もあるので、要注意です。
水洗い
歯ブラシで隙間ゴシゴシ。きれいになるな〜。傷はどうしようもないけど。つまみ類も歯ブラシと歯磨き粉でゴシゴシ。ぴかぴかになります。水洗い後はしっかり水を切ります。ネジ穴などに入り込んでいる水はブローで飛ばし、こたつに放り込んでしっかり乾燥させます。表示部の透明アクリル版は傷が付かないようにパネルと別に洗浄します。(このアクリルパネルは2タイプあるようです。周波数表示部にはコントラスト向上のために色づけされていますが、この部分が薄いカラーアクリル板のもの(どうも、前期タイプがこれのようだ)と、印刷で色づけされているものがあります。後者はアルコールで拭くと着色が取れますので要注意。コントラスト、表示の美しさでは前期タイプのアクリル板の方が勝っています。)
パネル組み付け
ばらしの逆手順で組み付けていきます。作業性は良くありません。裏止めしている部品のねじ長さを間違えないようにします。
つまみを付けて完成です。
電源投入。げっ、メータランプが片方切れてしまった。どうやら作業の振動で切れたようです。経年変化で切れやすくなっていんだと思います。
とりあえず、メーカである八重洲に問い合わせ。
バーテックス(旧八重洲無線)問い合わせ回答メール |
弊社製品をご愛用ありがとうございます。
ダイアル(表示)ランプ Q1000049 @400 (2個使用)
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メータランプは別途探すことにします。
掃除をかけたらFM不具合は直ってしまいました。掃除中に2つほど半田クズが出てきており、これがどこかをショートさせていた可能性があります。半田クズは煎餅のように薄くて丸いもので、半田の滴が冷たい金属に落ちて急冷すると出来るようなものです。KENWOODのTS-440相手にFMの変調、復調ができることは確認できました。