FT−817の電源

小型機ならやはり電源も小さく行きたい。

817は送信時に2A程度、加えてバッテリ充電として230mA程度の電流が流れるため、秋月で売っているSTD-1204(12V、4A)が余裕もあり手軽。価格は1850円。AC入力はワールドワイド(100〜240V)です。

DCプラグはマッチしないので、取り替えます。極性統一#1(ではなく#2とのご指摘がありました)が合うようです。
ノイズフィルタは邪魔なのですが、あったほうがいいです。

購入時の電圧は12Vです。このままでも問題はありませんが、817のマニュアルによれ、電源電圧が12V以下になるとローパワー送信になるとのことです。(可変電源で試したところ、実際は11.4V以下になるとローパワーになりました。)せっかくのACなので、定格電圧まで上げたいところです。

多くのアダプタは高周波接着や特殊ネジで開けられないようになっていますが、秋月のアダプタは簡単に開きます。ネジはプラスで、ゴム足(両面テープ接着)の下に隠れています。

中国製なのかどうかは知りませんが、全く不明なブランドのコンデンサが着いています。ニッケミ、エルナー、ルビコンなどは全く見られません。基板はアルミ板の放熱器にネジ止めされているため、スイッチングトランジスタとダイオードを固定しているクランプをラジペンで外し、ネジ2本を外してパターン面を出します。

回路は一般的なスイッチング電源で、電圧制御にTL431を使用しています。出力電圧を9.31キロと2.37キロで分圧し、TL431の制御端子に入力されています。この分圧比を変えることで出力電圧の調整が可能です。一般的にプラマイ2割程度の電圧調整は出来ます。

上記の丸印の抵抗を交換します。2.37キロオームが実装されていますがこれを2キロオームにします。

チップの2キロが入手出来なかったため、3.3キロと5.1キロを並列にしています。並列にするため、抵抗を2段重ねにしてます。(上記赤丸)

3.3K//5.1K=2.003...

ほぼ2Kです。

半田付けは確実に実施します。分圧抵抗の半田トラブルが発生すると、電圧制御ループが切れたりする致命的な問題が発生します。電圧制御ループが切れると、出力電圧が異常となります。異常に低くて817が動作しないならまだしも、異常に高くなると817を壊してしまいます。これは閉ループで安定化しているどのような電源にもいえることです。

いきなり817に繋ぐのは危険なので、テスタで確認してからにしましょう。くどいですが、分圧抵抗の半田不良などがあると電圧制御のフィードバックループが切れることになり、非常に危険です。

13.8Vいい感じです。5Wでキャリア送信すると13.5V程度の表示になります。

しかし、817は小さいですな。これでHF〜430までオールモード運用できるのだから大したものです。未だにこのリグと同じ土俵で競合が無いというのも驚きです。このスイッチング電源は最近のノートパソコン付属のアダプターと比べると、電力を鑑みてもかなり大きめです。まあ817がそれだけ小さいと言うことでしょう。


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