電位治療器の波形


様々な健康機器がありますが、その一分野として電位治療器というものがあります。ここでは効果などには触れず、電気的にどういうものかということだけ見てみよう。(効果や、ましてその原理についてはよくわかりません。作っている方もおそらくわかってないでしょう。わかってない=否定というものではありません。科学的にはわからないが、効果があるような現象は確かにあります。)

電位治療器はいくつかのメーカがあるようです。ここでは○○ーヘルスを見てみました。メーカのサイトによれば、「−75%、+25%の電子」とあります。この意味は工学的にわかりませんが、波形を見るとおそらくデューティ比のことを言っているのでしょう。

ここでは波形の絶対値は見ないでください。高圧なので直接測定していません。接続すればオシロが壊れてしまいます。高圧差動プローブ(Tek P5205)をヘルスの高圧ケーブルに巻き付けて容量結合しています。このプローブは1.3kV入りますが、ヘルスの出力は10kVくらいあります。オシロと差動プローブを壊したら何十万の大ダメージです。

−側は電源ケーブルに巻きました。おそらく、こっちが対極になっていると思われます。

周波数は50Hzでした。電源と同じですが、電源同期なのか、装置自体に50Hz発振器があるのかはわかっていません。

ここで、IPDLを漁って、メーカの出願(平6−103247)を見つけました。付図があったので、載せます。

対極はやっぱりAC側のようです。この回路そのものがヘルスかどうかはわかりませんが、少なくとも50Hzの理由は合致しています。メーカのいっている25:75の比はピーク値の比のようです。ACなので平均0とすれば、 基本的にはデューティとピークは逆数の関係になります。

わかったことは以上です。特許のままだとすると、非常に簡単な回路です。装置は数十万円するらしいのですが、自作すれば1万円あればお釣りが来るでしょう。販管費のほうが遙かに高いと思います。


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