MT-8801C修理
スペアナとして利用していたMT-8801Cが昨秋(2013秋)頃起動しなくなったので修理する。
ブート画面で止まる。POSTは正常だが、ソフトのロードができないっぽい。
後ろパネルのPCカードを抜いて、PCに挿してみると不明なデバイスとなる。
以前はちゃんと読めたので、このカードが壊れた可能性が高い。
カードのコピーは以前取ったはずだったが、探しても見つからなかった。
(Windowsでファイルコピーしてもだめです。後述)
壊れたカード
20MBと隔世の感がある。
同じ機種を持っている人からカードの中身をコピーしてもらえば直る可能性が高い。
(後でわかったことですが、このカードをWindowsでファイルコピーしても動きません。)
2,3当たってみたが、よい返事は得られなかった。
おそらく、キャリブレーション情報もカード内にあると思われるので、他の個体からコピーしてもってくると、動作してもキャリブレーションは失われると思います。
#もとが
ジャン測ですけどね。
不明なデバイスとなることから、故障したのはコントローラーチップと見込んで、同じカードを購入してフラッシュチップだけ移植することを考える。
厳密に同じカードでなければならないのが探す上で難しいところ。ラベルデザイン(世代重視)、MADE IN USA
もあわせました。(同じカードでもChinaもある。)
eBayで購入したカード
見かけ全く同じ(シリアルのみ違う)カードだが、内部はわずかに違った。
壊れたカードにはNORフラッシュのようなものがついているが、購入したものにはついていない。
同じ20MBだが、壊れたほうは256Mbのチップx1、購入したものは128Mbのチップx2と違う。
基板は全く同じリビジョンだった。
期待薄だが、フラッシュ張り替えを敢行。
0.5ミリピッチです。久しぶりの表面実装で手が震えました。
うまくいった。Windowsで読み出せた。
拡張子.Cとか.Mがありますが全く独自のものです。
FATフォーマットされているため、手持ちの64MBのCFをFATにして中身コピー。→起動せず。
専用機なので、ファイルシステムレベルで同じにしてもだめなようだ。
linuxを使い、カード全体をddコピー→起動(^o^)v。
スペアナ画面
SG画面
この機種は携帯電話用無線機テスタなので、スペアナ単体の性能・操作性は専用機に劣ると思います。
よくよく調べたらCNは-115dBc/Hz@100kHzとのこと。ミドルレンジの基本性能はあるみたいです。
新品では500万円以上していたようです。
しかしならが、よく使うFreq/Span/Level等がソフトキーかつ、左側なので、操作性はイマイチと思います。
無線機テスタなので、300kHz〜3GHzのSGにもなるし、10Wまでのパワー計(なんと熱電方式らしい)もついてます。SGだけでも十分価値あり。
仕様では300k〜3GHzとなっているが、DCに近い低域をみてみる。
FGで正弦波を入れ、50kHzから10kHz刻みで落としていく。
30kHzまではレベル誤差を無視出来るようだ。
修理のついでに掃除もかね、ご開帳。
左端は電源。メイン電源と、常時通電(予熱用)サブ電源。
カードラック内はCPU、DSPほか。ラック内右はおそらくIF。その右のラック外はローカル、コンバータ系。
CPUボード 確か68000だったと思います。似たような集積度の基板が何枚か入ってます。
これはその中でも特に石が多い。MOD DSPとある。ほとんどが74系のロジックICです。
比較的大型のPLDが入っていることもあり、もうちょっと集積しなかったんでしょうか。
スペアナ、SGとして使うぶんにはほとんど関係ないモジュールと思われます。
YTOまわり。缶詰のようなYTOはありません。
おそらく、この下のアルミブロックに一体化されていると思われます。
リファレンスのOCXO。スタンバイ状態でもここは通電、予熱されてます。
参考リンク
http://www.kolumbus.fi/oh5iy/HW/MT8802A.html
http://www.anritsu.com/ja-JP/Products-Solutions/Products/MT8801C.aspx
http://www.anritsu.com/ja-JP/Downloads/Brochures-Datasheets-and-Catalogs/Brochure/DWL7334.aspx
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Created: 2014/04/06
Updated:2014/12/16