DENON DTR-100P 修理
92年に購入し、ここ4,5年ほどしまってあったデンオンのDTR−100Pですが、デジタル録音出来ないので修理しました。結論からいうと、電解コンデンサがかなり劣化している事が原因です。
事象としては、デジタル入力を使った録音をしようとしても、入力なし状態になっていることです。いろいろいじっていると、電源投入直後の30秒程度はデジ入力を受信していますが、それ以後は入力なしになってしまうことがわかりました。一時的に動くというところから、入力アンプのカップリングコンデンサが悪いだろうと直感的に予想しました。
メイン基板を出して、同軸入力からパターンをトレースすると、基板中央にある10uFを経由しており、これを取り外そうと半田ごてを当てると、電解液の蒸発するイヤなにおいが出ます。液漏れしているようです。その他の10uFも全滅のようです。33uF等がありますが、こちらは外して容量測定しましたが大丈夫でした。10uFは手持ちの普通の立形電解を寝かして取り付けました。
これで、組み上げてデジ入力すると今度入力なしになることはありませんが、再生がとぎれるようになってしまいました。再生がとぎれるのは、ヘッドアンプの22uFがやはり液漏れを起こして、容量がなくなっていることが原因です。外して測定すると0.01uF以下です。ヘッドアンプはmVオーダの微弱な信号を扱っているため、電源ノイズの影響が出てきたのだと思われます。こちらも手持ちの電解を寝かして取り付けました。
ヘッドアンプの電解
外した電解
表面がボコボコしているのは、液漏れによる反応なのか半田のリフローの熱のせいかは不明。
基板全景
左側にある緑の箱はLFP。おそらく連立チェビシェフ形だと思われる。横にLPF20Kの文字があることから、20Kでカットしている。たぶんオーバーサンプリングではない。基板には松下のM印シルク印刷があることから、これは松下で組立られた可能性が高い。
1uFのコンデンサは普通の立形が使われていますが、試しに1つ外してみたところ電解液のニオイが漂い、基板側にもコンデンサを固定する接着剤があることがから、おそらく前回ヘッド交換した際にメーカで液漏れ交換したものだと思います。
全景
出来れば、黒い角形の樹脂がついた電解は全部交換すべきです。手もちがなかったので、全部は交換出来ていませんが、おそらくまだ容量抜けしているものがあると思います。電気製品の寿命はやはり電解で決定されます。これが一番早く劣化する部品です。内部に液体を入れているため、寿命が早いことは避けられません。電解をリプレースすれば、更に10年は使えるでしょう。
このDATはメカが非常に安定しており、このデッキでテープを傷めたことは一度もありません。さすがデンオン、ではなくこれはカシオ計算機のOEM品です。当時としてはコンパクトなデッキですが、メカに無理がなく余裕のある作りになっています。これはかなり使ったのでヘッドを一度交換しており、その後はほとんど使っていません。復活したので腐らせない程度には使うつもりです。
2004/04/10
このページを見たオランダのある人から電解コンをリプレースしたら動作するようになったというメールをもらいました。
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