基板会社への発注


できあがった基板データを製造会社に送付して実際の基板を作ってもらうわけですが、メーカーを使うわけなので、当然ながら価格が問題になります。国内で基板を作ると、基板の種類にもよりますが、1種類あたり5万円程度のセットアップコストを要求されます。(片面あたり、フィルム1万、プロッタ代1万、等々)

量産せず1枚だけなので、これは受け入れられません。海外ではかなり安いところがあり、これまで米国のPCBExpressを使っていましたが、更に安いブルガリアのOlimexを知り、こちらにオーダーすることにしました。PCBExpressのサイトにある特急電車はどう見ても「新幹線」なのが、親近感がわきます。

ここで本末転倒するのですが、基板データを設計する前に基板会社を決めておく必要があります。というのは、基板会社それぞれによって受け入れられるデータに違いがあるためです。代表的なのがトレース幅といわれる最小のパターン幅、使用できるドリルの種類などです。従って、ライブラリ作成の時点からある程度これらを意識してデータを作る必要があるわけです。データ作成から基板の発注までについては、他のサイトでも言及されてますので、ここでは詳しい説明は省きますが、いくつかのポイントを挙げたいと思います。

Olimexの両面基板サービスDSQ($104,00 320x200mm)を使います。2枚の基板はそれぞれ150x200ミリなので、DSQで2枚出来ます。つまり、1万円強で両方の基板が作れます。CADデータ上は、DIR基板とDAC基板は別データになっていますが、これを1枚のボード上に配置する作業はOlimexがやってくれますので、自分で1つのガーバーにまとめる必要はありません。この作業を面付あるいは面割りなどと言います。ベタアースがあるとOlimexは面付してくれない、ということを記述しているサイトもありますが、そのようなことはありません。Olimexによれば、そのようなデータ(Negative gerber)もあるが、Eagleで作成したデータ(Positive gerber)なら面付出来るとのことです。ボードの切り離しもOlimexでやってくれます。

次に、Olimexのサイトを見ると、シルク印刷の最小トレースが10milであると指定されてます。Eagleの標準ライブラリでは8milを使っているようなので、これを10milにする必要があります。しかし、手作業ではあまりに大変であるため、ULPを作って一気にコンバートしました。ULPによって、新しいレイヤーを作成し、シルクや文字を新たなレイヤーに変換して出力します。ガーバーデータを作る際に、ソースレイヤーをデフォルトからULPが作成したレイヤーに切り換えることで、適切な幅のシルクデータを出力できます。

シルク幅、文字太さ変換ULP(OlimexSilk.ulp)

Olimexの指示にあるように、Eagleのドリル出力データ精度を向上させます。Olimexによれば、Eagleは小数点以下3桁でデータを出力するので、これを小数点以下6桁にするということのようです。EAGLE.DEFファイルの設定を書き換えますが、細かいことはOlimexサイトのFAQに書いてあります。

できあがったデータから基板受け取りまでの流れ

1.ガーバー(ドリル)データ作成

2.ガーバー読み込みツール(GCPreview)などにより、チェックする

3.簡単な仕様書ファイルを作ってデータとまとめて圧縮し、メールでOlimexに送る

4.Olimexがチェックし、OKならばオーダーシート(ワード文書 or PDF)が来る

5.オーダーシートにクレジット番号などを記載し、FAXで送信する
絶対にクレジット番号をメールで送らないこと。私もうっかりミスして番号が漏れてしまい、いろいろ無断で買われました。どうやら、Olimex迄のメールルートのどこかに自動でカード番号を引き抜くAgentProgramがあると思います。圧縮ファイルの中に書いていたものが漏れています。幸いクレジット会社が異変に気づいて、損失は出ませんでした。Olimexはブルガリア=東欧です。危険な経路も十分考えられます。)

6.製造完了すると、Olimexより出荷したとのメールが来ます。あとは待っていれば郵送されます。

基板の出来については、「並」と考えておいた方がよいでしょう。メーカー製品に見る両面スルーホールガラス基板よりは、「雑」な部分があります。なお、PCBExpressは雑ではありません。値段の違いでしょうか。もし、PCBExpressにオーダーすると、$296です。ただし、面付とカットは自分で行う必要があります。


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