設計ポリシー

自作する場合、それが実験なのかおもちゃなのか、まともなのかによって気合の入れ方が異なる。
今回は”まとも”なものをターゲットとする。勝手な基準ながら、まともなものは以下の条件をクリアすることが必要となる。

・ちゃんと動き
・再現性もあって
・設計に無理が無く
・ケースに入っている

特にAC100Vを電源とする場合、最低でも”燃えない”設計が必要である。
真空管アンプ、それも特に古い直熱管(845等)のようにB電圧が1KVにも達するアンプにKT88用出力トランスをつける人がいる。KT88のB電圧は高くても500V程度だ。トランスメーカは耐圧試験器で1KV(或いは5KV)の試験をしているかもしれないが、これは相当にヤバイ設計だ。仮に問題なく動いていたとしても、このような設計は精神的にも良くない。
このように1KVにも達する電源にはケミコンをシリーズに接続する。ケミコンのCANは通常−極になっていて、2階建て上側ケミコンのCANはシャシに対して500Vもの電位になるのである。いくら外皮で絶縁してあるとはいえ、このケミコンを平気でシャシに固定する人がいる。これも極めて危険な設計である。これは場合によって人命にも関わる事故を引き起こしかねない。100uF/500Vのエネルギは十分に致死量に値する。

また、論理的に裏付けられた設計を心がけ、耳でチューニングして定数を得ることは避ける。耳チューンは定数でなく、パーツの種類を選ぶ場合に用いるべきだ。

加えて、オーディオ機器は見てくれも気になるので、ケースにもこだわる。
DACチップは昔から使いたいと考えていたSM5864にする。(今となっては古いけれど)
メインボードとDACボードに分離し、あとからDACボードを取り替えられるようする。
→インタフェース部とDAC部に基板を分ける。
使用するパーツにもそれなりにこだわる。
→初っぱなからケミコンは全部BlackGateと決め込む。
→電源トランスはRコアにする。

また、紙ベースの設計はやめて、フリーのCAD等を積極的に使う。これはMOを持ち歩き、昼休みに作業するためにも必須となる。
→回路設計 BSCH
→基板設計 PCBE
→ケース設計 JW-CAD(最近はWindows版が出てます)
→アナログシュミレータ B2 Spice (30日評価版を使用)

話がそれたが、要は安全でちゃんと動作する装置をターゲットとする。



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