NEC VersaPro VA93J修理
いきなり落ちる
Eclipse起動してソースみていたところ、いきなり落ちました。電源スイッチを押してもうんともすんとも言わない。完全ご臨終状態です。セカンドマシンなのでさほど困らないんですが、勢いでそのまま分解しました。
電源短絡っぽい
アダプタ単体は正常で19V出力なんだけど、マシンにつないでみると3Vとかあり得ない値になってる。この状態はちょっと怖いので、実験電源を取り出してきました。こいつなら短絡を含め、どんな負荷状態でも電源側が燃えるようなことはありません。ボードは死ぬかもしれないけど...
とりあえず19V、2Aにセットして接続してみます。案の定、定電流モードになって5Vまで落ちますね。10Wもの電力がどこか訳の分からないところで消費されているので、その部分は相当熱くなるはずです。ボードの破壊が広まるのですぐ電源を落とします。
やっぱり積層セラミックコン
以前、ジャンク便り(http://junkletter.seesaa.net/article/32676180.html)をみて、この機種は積セラがアキレス腱なので、おそらくと思いボードをよーくみると表面の絶縁板?と思われる部分が溶けてテカっています。さきほどの10W電力のせいか、かなり発熱したと思われます。やっぱり下に積層セラミックがいました。
サイズは3220(3.2mmx2.0mm)くらいですね。容量はよく分からないのですが、おそらく数μ〜数十μの範囲だと思います。このような容量の積セラは手持ちにないので、部品箱にあった0.68uFをつけました。これらはパスコンなので、さほど容量に厳密性はありません。1つ2つ無くても動作するはずですが、とりあえず代用としてつけます。あまりに取ると不安定になってきます。
Update 2008/02/09 全部交換しようと再びばらし、電圧を測定したところ、このコンデンサには電源の19Vがそのままきています。(電源状態と関係なし。)16Vでは耐圧不足です。25V以上を使うべきです。容量は引き続き不明です。 |
チップ部品取りのため久しぶりにSMD除去キット出しました。以前USから個人輸入したものです。サンハヤトでも同じようなもの出してます。低融点半田で長時間溶けた状態にして取り外すものです。SMDはSurface Mounted Device(表面実装部品)の略です。
コンデンサ交換後に実験電源をONしたところ、19Vで電流はほとんど流れていません。うまくいった可能性が高いですね。
組み立て直して...起動OK
やっぱり。うまくいきました。1個NGということは同種他のパスコンも早晩NGになるということですね。近いうちに全部取り替える必要がありそうです。予め容量を調べておく必要がありますね。
オイオイ、ほとんど短絡してる
0.7Ω?、なんだそれ?ったく怖いなー。
留守中になったらどうすんの、火事になるかもよ。
ヒューズ切れてなかったし。怖いなー。(^^;)
問題のコンデンサ USBマイクロスコープで撮影しました。
あちこちヒビが入ってますね。一部もげています。
有機物ではないはずなんで、元々黒いんでしょうか。
2008/02/10 該当のコンデンサを全部交換しました。
上記ジャンク便りで交換を推奨している問題のコンデンサは19Vが直接かかっている場所のようです。これは電源状態にかかわらず通電されているので危険性がより高いといえます。安全のためすべて予防交換することにしました。
このコンデンサなのですが、容量は実測で4uF前後でした。特に大容量のチップセラミックは容量誤差が相当大きい(-50%〜+100%程度ある)ので、おそらく定格は3.3uFか4.7uFだと思います。手持ちにこのようなセラミックはないので...と探したところ、同じサイズのチップタンタルが出てきました。品番はF931E335MBAで3.3uF/25Vとちょうど良いです。
セラミックと違いタンタルは極性があるので、プラマイを事前に調査しておく必要があります。逆接続するとタンタルは火を噴きます。
基板裏はhttp://junkletter.up.seesaa.net/image/VA93J-5.JPGの通り6カ所、表も下2カ所に19Vがかかっていますので、交換しました。
これで安心して通電できます。
[戻る]