SunのビデオコネクタとPCのディスプレイをつなぐ

最近のSunマシン(UTLRA5/10など)は高密度DB15コネクタでビデオが出力されているため、PCと同じケーブルで接続できるが、CreatorやGXシリーズの出力はSun独自のコネクタになっている。このため、変換が必要だ。

1.基本的な接続の図
RGBは同軸出力されている。残りは水平・垂直同期とそのグラウンドだ。SENSEピンは後述。

SUN側のコネクタは13W3という。秋葉の千石電商で2.5K円くらい。高密度15ピンはどこでも売っている。400円くらいか。

2.SENSEピンとセットされるモードについて

SENSEピンはハード的に接続されているCRTなりをPROBEして、適切なモードをセットするための信号ピンである。こう書くと、VESADDC(?)のようにシリアルで機種まで通知するように思うがそうではなく、単にH/Lを見てるだけだ。 
SENSEピンはプルアップされているため、接続しないとすべて1(Code=7)になる。適宜GNDに落とし、Codeをセットする。
コード対応表は以下の通りである。
 
Code TGX+ TGX GX+ GX SX ZX S24 Creator
7 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66
6 1152x900x76 1152x900x76 1152x900x76 1152x900x76 1152x900x76 1152x900x76 1152x900x76 1152x900x76
5 1024x768x60 1024x768x60 1152x900x66 1152x900x66 1024x768x60 1152x900x66 1024x768x70 1024x768x60
4 1152x900x76 1152x900x76 1280x1024x67 1152x900x76 1152x900x76 1280x1024x67 1152x900x76 1280x1024(※4)
3 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66
2 1280x1024x76 1152x900x66 ※1 ※1 1280x1024x76(※3) 1280x1024x76 1152x900x76 1280x1024x76
1 1600x1280x76 1152x900x66 ※2 ※2 1600x1280x76(※3) 1152x900x66 1152x900x66 1152x900x66
0 1024x768x77 1024x768x77 1152x900x66 1152x900x66 1024x768x60 1024x768x76 1152x900x66 1024x768x77

※1 1280x1024x76に同期されるが、ピクセル落ちする。
※2 1600x1280x76に同期されるが、ピクセル落ちする。
※3 4MBのVSIMMではカラーが8ビット深度になる。
※4 初期ロットではピン7がオープン(=1)の場合には1280x1024x67に、クローズの場合には1280x1024x76になる。

上記の表は David.Tong@Corp.Sun.COM 氏がメンテされている  Frame Buffer FAQ  から引用させていただいた。氏に感謝。

3.コマンドによる解像度の設定

いちいちsenseピンで解像度をセットするのは面倒くさい。自作はともかく、市販品の線だったらどうするのかという問題がある。
GXシリーズはNVRAMパラメータで解像度が設定できる。eepromコマンドか、OpenBOOTモニタのsetenvコマンドでoutput-device変数を設定しよう。

たとえば、1024x768の60Hzにセットしたければモニタプロンプトで、

setenv output-device screen:r1024x768x60

とやる。デフォルトは単に screen となっている。この場合はsenseピンの設定になるようだ。
では、対応してない解像度をセットするとどうなるかと言えば、無視されるだけのようだ。

NVRAMのパラメータで設定できるのはGXシリーズだけで、その他はOSのコマンドで設定する。
ZXならleoconfig、SXならsxconfig、Creatorはたぶんffbconfigだろう。
man leoconfig してみてほしい。leoconfigならガンマ設定などもできるため、モニタの色調整も可能だ。

4.変換コネクタ達

4.1.自作変換コネクタ
 
上記の結線図のままに作成、ケースに入れた変換アダプター。小穴はSENSE信号とGNDを短絡するためのディップスイッチ。

4.2.SUNの純正変換コネクタ
 
自作変換コネクタを作った後で入手したSUNの純正変換アダプター。130−3034−01という番号が刻印されている。品番か?

テスターで測ってみると、SENSE0が100オームでGNDに落とされているようだ。ということはCode=6になっているということだ。

5.うだうだ

5.1.Sunを液晶モニタに接続する

結線上の留意点はない。液晶の場合は一般に同期周波数が低いため、Sun側で低めの周波数を出力する。安物のケーブルでもボケが少なくなるメリットもある。ふつうの液晶はXGAタイプだから、1024x768で出すのは当然だ。
ここで問題になるとすれば、GX(+)には1024x768モードがないことだ。残念ながらこれはどうにもならない。画面が切れることを承知で1152x900を使うか、TGXにするかどっちかだ。お金があればSXGAの液晶を買うという手もある。

吾輩はTGXとZXをナナオの液晶ディスプレイに接続するが、普段はPCのXで使うため結線していない。

5.2.どんなフレームバッファがいいのか

なにに使うかによる。GXシリーズはどれも256色しか出ない。TGX+/GX+には4MのVRAMが搭載されているが、やはり256色しか出ない。これはカラーパレット式だからだ。今となっては256色は一部の業務用程度しか使い道がないだろう。

ZX,SX,S24,Creatorはフルカラーで表示できる。ZXはジャンクでもまだ高価(5〜7万)だし、殆ど出回っていない。SXはSS20かSS10のSXモデル専用で、メインメモリ空間にVRAMを入れてしまうことで高速描画を実現しているようだ。どの程度高速化は使ったことがないので知らないが。これはSX-VSIMMという名前で出回っている。4Mと8Mのバージョンがある。S24はSS5専用だ。(SS4にも刺さったかも)SS5のAFXバスに差し込む。これはアクセラレーションしていないので、遅いとか。Creatorはまだ勤務先でちょこっとさわっただけなので、何ともいえない。

いまさらながら、表示系はPCのが良いと思う。最近購入しているワークステーションはビデオレスにしている。PCのXサーバからSunを使うスタイルがすっかり定着してしまった。

5.3.ジャンク

秋葉原では最近SUNのジャンク流通が増えている。SS5やSS20などが3万から10万程度で流れている。吾輩も中古のSS5とSS20を入手し、使っている。当然ながらパーツ類のジャンク流通も増えている。つい先日はTGX+を500円でゲットした。
これにはジャンク屋の兄ちゃん(きっとバイト)も、”おおーっ。ビデオカードじゃないすか。もうけもんですねぇ。”と驚いていた。しかも Made in Japan ですぜ。きっとUS製よりは信頼性が高い。
 
500円のジャンク箱で発見したTGX+。最新のTGX+はPGAでなく、BGAタイプのコントローラが付いていたと記憶している。基板の埃も少なく、美品。

#ジャンクのカードをSS20に刺すのは怖かったが、バッチリ完動でした。



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